Morokitch

Posted on Jul 23, 2023Read on Mirror.xyz

CointelegraphアクセラレータープログラムにReadONが参加

ReadONがCointelegraphと業務提携してクリエイターエコノミーに革命を起こします。

🔶背景:クリエイターが報われる世界へ

クリエイターエコノミーの市場規模は1,000億ドルだと言われていますが、その価値のほとんどはクリエイター自身に還元されていません。例えば、YouTubeやTikTokは良質なコンテンツを投稿するクリエイターが多く在籍しているにもかかわらず、最小限の報酬しか支払わないことで悪名高いです。Twitterは、最近になってようやくクリエイターへの価値還元を始めたものの、価値還元の対象は一部のトップユーザーに限られており、大した還元とは言えません。今となっては多くの人が「いくらSNSにコンテンツを投稿しても稼げないのが当たり前」と思い込んでいるのではないでしょうか。このように、現状のWeb2のプラットフォームでは、良質なコンテンツを生成しているクリエイターが、その所有権や価値を最大化しきれていない状況にあります。もはやコンテンツをコントロールできるのはプラットフォームだけであるという状況になっています。

そんな中、ReadONはWeb上のコンテンツの読者・クリエイター・広告主のすべてのステークホルダーにとって理想的なコンテンツエコシステムを作るために立ち上げられました。読者向けの「Read and Earn」のコンセプトの発信によって人気を集め、すでに39万人以上のユーザーがアプリ登録者と、おおよそ3万人のデイリーアクティブユーザーがいます。ReadON上には51万個以上のコンテンツがキュレーションされており、それらはことごとくオンチェーンに記録されているほか、将来的にはコンテンツリエイターがトークンの分け前を得られるトケノミクスの構築が目指されています。

しかし、ReadONが掲げているビジョンを実現するにはまだまだ時間がかかると思われます。ReadONがWeb3に必要不可欠なコンテンツ配信インフラになるためには、目安として、デイリーアクティブユーザー100万人に到達する必要があるでしょう。読者やクリエイターへの価値還元をしながらトケノミクスを安定させるためには、十分量のNFTトレーディングボリュームに加え、外部の広告主からの安定的な広告収益を得ることが必要だからです。

🔶転機:CointelegraphとReadONの業務提携

2023年の7月23日に以下のツイートがReadON公式から発表されました。CointelegraphとReadONがパートナーシップを提携し、コンテンツエコシステムの実現に向けた業務提携を行うようです。
https://twitter.com/ReadOnMe3/status/1683096737110724608?s=20

https://twitter.com/ReadOnMe3/status/1683096737110724608?s=20

Cointelegraphは2013年に創業されてからというもの、クリプトに関連するありとあらゆるトピックを幅広く信し続けている業界屈指のメディアです。

🔻アクセラレータプログラムとは?

アクセラレータプログラムは、シードラウンドやAラウンドのスタートアップ企業に対してCointelegraphから提供されるサポートです。このプログラムでは1~3年かけてCointelegraphのリソースが提供され、その価値は50万ドルから500万ドルに匹敵するといわれています。

【アクセラレータプログラム支援内容】

  • マーケティング戦略支援
    SNSやコミュニティのマネジメントを始め、新規ユーザー獲得やマーケットへの啓蒙活動をサポート。

  • 広告支援
    プレスリリース記事や、支援先プロジェクトのリサーチ記事、広告記事を出版。

  • メンター支援
    web3の各業界のエキスパートによる、成長戦略、ファンドレイジング、トケノミクス設計等のワークショップを実施。

  • ネットワーク提供
    プロジェクトの立ち上げ期から成熟期にかけてのすべてのライフスパンで、最も適切な機関投資家、アドバイザー、取引所とのコネクションを提供。

  • トークン管理アドバイス
    トークンのマーケットメイキングや流動性についての知見を提供。

  • イベント機会提供
    Cpontelegraphによって後援される世界でも最大級のオンライン/オフラインイベントへの参加権利を提供。

このように、Cointelegraphから提供されるリソースはWeb3のスタートアップ企業にとってこの上なく魅力的な内容となっています。アクセラレータプログラムの参加要件は非常に厳しいものになるのですが、ReadONは、そのバックグラウンドとアプリ開発及びエンジニアリングの専門性が高く評価され、プログラムの参加者として選定されました。ReadONのビジョンとCpontelegraphの深い業界経験が掛け合わさることで、ReadONが構想しているコンテンツエコシステムの実現に拍車がかかることでしょう。

🔶進捗:クリエイターにコンテンツの所有権を

Cointelegraphの記事には、PICKに加え、ReadONの新しい機能についての記載がありました。

https://cointelegraph.com/news/unlocking-potential-for-web3-creators-readon-joins-cointelegraph-accelerator

その機能は「コンテンツ認証」です。ReadONは現在、MediumやWordPressのような有名なWeb2企業と協力しながら、効率的にコンテンツの認証ができるプラグインを開発しているようです。記事に掲載されていた画像から想像するに、Web2のプラットフォームで作成された記事をReadONの認証プラグインで評価すると「コンテンツのオリジナリティ96.4%」といったように、その記事が盗作や剽窃されたものではなく、オリジナルなものであると判定できるように思われます。

思い返せば、去年の9月のToken2049で、ReadONのco-founderであるTroyが電子透かしを入れるソフトであるWatermarkを活用してWeb2クリエイターのコンテンツ所有権をWeb3上で担保するという構想を話していました。そこから推察するに、Watermarkのスナップイン(アプリケーションを簡単にインストールできるようにするための仕組み)を活用して、Web2クリエイターのコンテンツ認証プロセスを簡素化していくのだろうと思われます。
いくらクリエイターを豊かにするといっても、そのシステムを悪用されてしまうと、しかるべき人に渡されるべきインセンティブが目減りしてしまいます。不正を防ぎながら、質の良いクリエイターへの価値還元を最大化する仕組みはReadONのトケノミクスを守るために欠かすことのできないものです。

🔶所感

ReadONは目標の一つとしてWeb2からWeb3のユーザーの橋渡しになることを掲げています。携帯電話がスマートフォンに置き代わったとき、スマートフォンは絶対的に優位な価値を顧客に提供することによってそのシェアを拡大しました。一方で、たとえ新しいものであっても、提供する価値が既存のサービスと大差ない製品は人気を集めることができず忘れ去られてきました。ReadONがコンテンツ配信プラットフォームとして提供する価値は明らかにWeb2よりも大きく、これまでに見られなかった新しい体験の提供を試みています。そのことを踏まえると、ReadONがコンテンツエコシステムの革命を起こすことは現実的かもしれません。
ただ一つ問題があるとするなら、現在のWeb2クリエイターはプラットフォームから安く買われることに慣れきってしまっていることでしょう。Cointelegraphの影響力をもって現在のクリエイターの価値搾取の実情が世に広く認知されれば、ReadONは世界で認められるのではないかと考えています。
今回のReadONとCointelegraphの業務提携は、クリエイターエコノミーのパラダイムシフトにむけた記念すべき一歩となったのではないでしょうか。今後両社はより一層協力関係を深めて、コンテンツエコシステムの未来を切り拓いていくことでしょう。